小話です(´ω`)
何となく音信が途絶え、数年間、会わずにいたクリスティーヌに再会したのは、パリのとある展覧会場だった。
大袈裟なデスクトップ仮想化で話に夢中になっている金髪の後ろ姿は、紛れもなく彼女だった。
「変わっていないな」と、その横顔を見やり、声をかけようかどうか、しばし躊躇した。
ここで声をかけなかったら、もしかしたらこの大都会でもう二度と会う機会もないかもしれません。
私には私の、彼女には彼女の毎日の生活があって、それは数年前から、交わる必然性のない別々の平行線をたどっていました。
ここで私が声をかけようがかけまいが、大勢に影響はないようなものだったが、やはり懐かしさが先に立った。
私の方から足早に近づいていって彼女の名を背後から呼びました。
勢いよく振り返ったクリスティーヌに気まずい思いをさせては気の毒、と先手を打って自分の名を告げた。
一時は頻繁に交流のあった相手だが、気まぐれな彼女のこと、私のことなどころりと忘れていないとも限らないと思ったからだ。
果たして一瞬の沈黙の後、記憶を一気に取り戻したかのような「まあ、懐かしい」という声と共に大きな抱擁がやってきました。
「ジャーナリストの仕事、相変わらず続けている?」
「それにしても・・・何年ぶりかしらねえ。え、何ですって?そお、結婚したの。えっ、赤ちゃんも生まれたの。まあ、あなたがお母さん。すごいわすごいわ。やったわね」