興味深い歴史 その3
昭和三年には金融恐慌後の不況が多少ともゆるみ、さきの第6図でもわかるように、生産も物価もやや上向く気配をみせはじめました。
しかし、それは決して日本経済の体質を強めるものではなく、むしろいっそう事態を悪化させるものでした。
日本の物価の上昇は、貿易の逆調をいっそう大きくし、三年度には輸出が二干万円余減じた反面、輸入が一七〇〇万円もふえ、輸入超過は前年の一億八七〇〇万円が一.億二四〇〇万円へと、いっきょに四千万円近くも増加した。
それにつれて為替相場の下落もいちじるしくなり、二年三月、対米四九ドル(平価は一〇〇円につき四九1/4ドル)まで回復した相場は十一月には四六ドルに落ち、四年四月にはついに四四ドル台に低落してしまった。
こうして四年にはいるとふたたび景気は沈滞に向かい、日本経済の国際的たちおくれは、ますますはっきりとしてきたのです。